夜のクラゲは泳げない

SPECIAL

スタッフインタビュー #8
監督 竹下良平インタビュー

この作品を作ろうと思ったきっかけを教えてもらえますか?

竹下良平(以下:竹下):以前からオリジナルアニメに挑戦したいと思っていて、今のSNS全盛の時代で生きる、若い人達に響く物語を作りたいなと考えたのがきっかけです。最初に自分の方からやりたい企画をいくつか提出し、その中からキングレコードと動画工房のプロデューサーと一緒に会議を重ね、最終的に決まった企画が今の作品の原型でしたね。
女の子4人が匿名で架空のキャラクターを作って音楽活動をするというコンセプトは、初期から変わっていません。
その後に脚本の屋久ユウキ先生が参加して、どんどん作品として肉付けされていって、今のヨルクラの形になっていきました。

気になるキャラクターや設定を教えてもらえますか?

竹下:やはりメインであるJELEEの4人全員に強い思い入れがありますね。最初はそこまで気になってなかったけど、途中から好きになったキャラで言うと、瀬藤メロでしょうか。メロの今っぽさというのは、映像を作ってみて、声がついてみて強く実感したところがありました。物語としてはJELEEを中心に進んでいくので、機会があればメロについてもっと掘り下げてみたいなと思いましたね。屋久先生のキャラの魅力が良く出ているキャラクターでもあると思います。
設定でいえば、こだわったのはキャラクターの服装でしょうか。今の時代に合わせて、日常で見ても違和感がないようにデザインしています。

ヨルクラの作業を進める上で意識されたことはありますか?

竹下:自分が一番こだわったのは映像のテンポですね。音を想像しながらコンテを作り込んでます。映像全体のテンポに緩急をつけること、オープニングとエンディングの入り方に関してはコンテ段階からプランニングしています。
また、画面作りでは光の演出にこだわっています。光源とシーンの雰囲気を計算しながら絵コンテ段階でロケーションとライティングを設計してます。

ここは注目して欲しいというところはありますか?

竹下:伏線です。最初に公開された4本のキャラクターごとの実写PVや、1話から12話までの本編、OPEDと全ての映像に様々な伏線を仕込んでいます。実写PVはアニメ制作と並行しながら作ったので、本編の演出を色濃く反映したものに仕上がっています。本編を見た後に改めて見返してもらうと、よりこの作品の解像度が上がっていくPVになっていますね。

ズバリ、この作品の魅力について教えてもらえますか?

竹下:真面目な作品と思われがちな本作ですが、メインキャラクター4人の楽しい日常やコメディもしっかり描いていて、たくさんの人に見ていただけるエンタメ作品となっています。また、今の時代の人に刺さるような、血が通った生きたキャラクターを描くということにも挑戦しているので、見てもらえたらきっとストーリーやキャラクターに共感できる作品になっていると思います。
個性的な女の子4人が集まった楽しい日常シーンだけでなく、各キャラクターに共感してしまって辛く感じてしまう部分も含めて、全部楽しんで欲しいです。

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