夜のクラゲは泳げない

SPECIAL

スタッフインタビュー #1
シリーズ構成・脚本 屋久ユウキさんインタビュー

この作品に参加が決まったときのことを教えてもらえますか?

屋久ユウキ(以下:屋久):最初は監督からお声がけいただき参加させていただきました。ヨルクラに参加する上で考えていたのは、SNSが発達した現代で自分が変だと思われるのが怖いから動けなかったり、踏み出せないという人を応援する内容にできればということでしたね。自分はこうなりたいけど世間的に変って言われてしまっていたり、自分を貫いてることが変と言われたりして意見をできなくなったり、そういう人たちに一歩踏み出すきっかけを与えたい、と考えていました。

気になるキャラクターや設定を教えてもらえますか?

屋久:凄く難しいのですが、やはりJELEEのメンバーは思い入れが強いですね。特に好きなところは、キャラクターによって悩みの方向性が違うところでしょうか。あらゆる時代に共通する承認欲求に振り回されるまひる。自分じゃないなにかに依存している花音。推しという存在に憧れや輝きを見出しているめいに、架空の自分を作って、リアルの姿は自分じゃないと振り切るキウイ。いつの時代もある悩みを持っているのがまひると花音の二人、逆にキウイとめいは令和的な悩みを持っているというような感じです。
その中でも書き始めたときの印象と変わっていったなと実感したのはまひるですね。最初の量産型と言われている女の子から、話が進むたびに少しずつ変化していく姿を描きながら見守っていたところもあります。

ヨルクラの作業を進める上で意識されたことはありますか?

屋久:自分の書き方として、まずテーマを決めてそこからキャラクターや物語を作っていく、というのがあるんです。参加した時点で大枠は決まっていたんですが、それをより魅力的な内容にするために必要だと思うことをガンガン入れていきました。
それに関係して、時間をなるべくかけたいというのもありましたね。初めてアニメの脚本を担当させていただくのもあって、許されるギリギリのラインまで、より良いものになるよう何度も修正を重ねていました。

ここは注目して欲しいというところはありますか?

屋久:ヨルクラのシリーズ構成をする上で、1クールで消化するには多すぎるほどの要素がありました。本来ならそれを削っていくことになるんですが、本作に関しては全て残していくという考えで構成しています。展開やアイディアを一話にできるだけ詰め込んでいますので、是非注目していただきたいですね。

ズバリ、この作品の魅力について教えてもらえますか?

屋久:いざ映像になったのを拝見して思ったのは、話数毎に持っている味が違う作品だなというところですね。青春っぽい話があればコメディだけの話もあって、はたまたサスペンスの要素を感じる話もあったり。テーマとしては一貫しているんですけど、毎話バリエーションがあって飽きずに楽しめるのではないでしょうか。あとは一度出てきたものをそこだけでなく、もう一度出したりするのが好きなので、見直したときに新しい発見が見つけられるところも楽しめるところだと思います。

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